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2011/02/20

パイトーチストーブっぽいのを作ってみました

自作のアルコールストーブを楽しんでいる方は結構いらっしゃいますよね。アルミの空き缶を使った開放型のアルコールストーブはバリエーションが豊富で火力も強くて楽しそうです。

でも筆者にとってアルコールストーブといえば、コレ【パイトーチ アルコールストーブ】なのです。最初に入手したのがコレっていうのもありますが、V字型に伸びる炎とシュゴーって燃焼音がいい感じで、ステンレスの丈夫な筐体がギャンプギアっぽくて... とても愛着のある一品なのです。


しかし残念なことに、もう製造してないのか?どこにも売っていません。筆者が所有しているのはトーチ(火を燃焼させるところ)が2本のタイプなのですが、SSSという3本のもあって当然火力も強かったりして... あ~欲しいな~... あとタンク容量がもっと大きいの欲しいな~...

という事で、手に入らないのなら作っちゃえ!!というのが今回の企画です。おそらく安心して使えるモノになるまで結構時間がかかると予想してまして、まず今回はパイトーチの燃焼を実現するプロトタイプのストーブを作ってみたいと思います。これは結構長話になりますよ...

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(2011/02/22追記)
アルコールが噴出して周囲に引火する危険あります。もし同じような実験をされる方はシンクの中など着火せず消火しやすい場所で行うようにして下さい。絶対ですよ~ !!

まず最初に材料から。と、その前に... やっぱり安く作りたいという思いがありますので、やたら高かったりプロ仕様の材料は避けて、100均ショップとかホームセンターで買える材料を選びました。

まずタンクです。ペンキ缶にしようかと思ってたのですが、見た目がパイトーチっぽいという安易な理由で↓コレにしました。オイル差しです。金属でできていて、底面をペッコンペッコン押すやつ。ホームセンターで300円強で売っています。


次に銅パイプです。色々テストしたいので、径の異なる3種類(径が2mm,3mm,4mm)を買いました。ホームセンターで1m弱300円強/1本で売っています。


細目のスチールたわし、土ねんど(油ねんどではありません...臭いので)を、それぞれ100均で買いました。何に使うのかは後ほど...


あと、写真は省略しますが、半田と針金(スズメッキ線の方が良い)、木工ボンドです。

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じゃ、作ってみましょう!! て、実際には数日かけて色々な組み合わせで作っては試したのですが、全部書いていると長~くなってしまいますので、かいつまんでご説明します。

まず径2mmの銅パイプで作ったものは小さくてカワイイ炎しか出せず、とても料理できる程の火力になりませんでした。なぜ炎が小さいのでしょうか... 銅パイプが細いからかもと思い、次に径3mmの銅パイプで試作です。

オイル差しの先端は金ノコで根元から切断します。銅パイプは20cmくらいで切断(周囲を軽くノコで削ってポキッと折る感じ)します。


銅パイプをガスコンロで加熱しつつトーチ状に加工し、トーチのワッカ根元に千枚通しで穿孔したあと、スチールたわしを捻って作ったコヨリを両端に差込みます。トーチをタンクに差し込んだあと、接合部分を土ねんどでしっかりシールします。


今度はやや大きめの炎を出す事ができました。小さいプスーて音を鳴らしながら2~3cmの炎が出てます。綺麗ですね... でもまだ火力が不足しています。



色々やって気づいたのですが、コヨリが短いと炎が荒ぶって大変(プシュプシュ言いながら炎が暴れる)で、コヨリが長いと炎は小さくなるものの安定するようです。コヨリは燃料を毛細管現象で吸い上げるだけではなく、銅パイプ内でのアルコール気化量が一定ではないので、パイプ内圧を安定化させる役割も果たしているのかも。

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炎を安定させつつ大きな炎を出すには... 燃料の送出量を増やさないといけないのかも。なので銅パイプの径を大きくしたらどうでしょうか?では次に径4mmのパイプで実験してみましょう。炎の安定のため、コヨリもすこし密にして長いものを使います。

そもそも何でアルコールがトーチを上って噴出するのでしょう? 最初はコヨリの毛細管現象的なもので沁み上がって来る位に軽く考えていたのですが... そういえば本物のパイトーチは「プシュゴー」って結構な音で気化したアルコールが噴出していますね。あれはタンク内の圧力が上がってアルコールが押し出されている音っぽいです。なので今回はシッカリねんどで蓋をしてタンク内圧を逃がさないようにしました。


色々改善した成果あってか... シューという音と共にパイトーチっぽいV字の炎が出ました!!


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と、ここでちょっと考えていた事があって、トーチの加工が結構大変なんですね。綺麗に丸くなりませんし、そもそももっと小さい丸でもいいんじゃない?と思い、トーチ形状を変更しました。

なんか鼻風船みたいな形ですね。これはこれでカワイイ感じです。

ライターをトーチ部分にあてて30秒ほどすると小さな炎が立ち上がって、1分後位には大きな炎になり安定します。


いい形の炎ですね~。時折コヨリのスチールたわしカスが燃えて小さい光軌跡が出たりして、見ていて楽しいですよ。この形状のトーチでも大丈夫そうですね。


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では火力を増すためにトーチを2本にしてみましょう。どうなるんでしょうワクワク!!

同様に最初は小さい炎ですが、だんだん大きくなりまして勢いも増してきます。


お、なんか「ブシュー」て凄い勢い... あ、予定外の所にも炎が出てます!! やばい~!!


トーチが2本になってタンク内のアルコール気化力がアップした結果、土ねんどでは圧力に耐えられず気化した燃料が漏れ出したようです。あわててステンレスのボウルを被せて消火しました。(!!注!! アルコールランプの場合、息でフーフーすると燃焼中のアルコールが飛んで周囲に引火する恐れがありますので、何か被せて消火するようにして下さい!! 理科で習いましたよね。)

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では、次にトーチをタンクに半田付けして固定しましょう。半田で大きな隙間を塞いでしまい、残った細かい隙間はとりあえず木工ボンド(笑)でシールしてみます。本当は耐熱パテが良いのですが... 手元に無いのでコレで!!

金工用の半田とコテがなくフラックスも無かったので、スズメッキ線でトーチとタンクの隙間にメッシュを作って半田を埋めてゆきました。なので超汚~い仕上がりです... コヨリは固めでこんな形が最良のようです。

おお、あの「プシュゴー」という燃焼音です。さすがに本物のパイトーチ程にた炎が立ち上がっていませんが、キャンプ用の火力ならこれで十分でしょう。安定してくると綺麗なV字型になりました。サリーちゃんのパパの髪型みたい。

炎のパワーは最初に比べて格段にアップ... ああ、やっとココまで辿り着きました~!!


このあと燃焼ピーク時にタンクのキャップ部分からほんの少し炎が出まして... キャップのスクリュー溝を伝って気化したアルコールが漏れ出したようです。これは... キャップ内に耐熱シリコンゴムのパッキンを入れるか? 100均で入手できるか?
2011/02/22追記:100均で耐熱シリコン素材入手!!→記事はコチラ

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では、どのくらいの火力なのか... 試してみましょう。といっても高温測定できる機器はないので、いつもの「アルミクッカーで400mlの水を沸騰させる時間」を計ってみます。

炎が満遍なく鍋底に広がっていていい感じですね。で、沸騰するまでの時間は9分30秒でした。以前パイトーチで計った時より1分強遅いのですが... 水温・室温・燃料など条件異なりますのであくまで目安ではありますが、パイトーチに近い火力が出ているようです。よかった!!

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こうやって作ってみて分かったのですが、本物のパイトーチは本当に無駄なく出来ていまして、今回の試作では(というか安い部材では無理?)実現できなかった仕掛けがいくつかあります。

■ タンクとトーチはシリコンゴムでセパレートされており、トーチの熱がタンクに逃げる事が少なく、アルコールの気化が早くてタンクが熱くなりにくい。

■ トーチをタンクに装着する際にシリコンゴム製の蓋をタンクに押し込む過程で、タンク内圧が上がりアルコールがトーチ内に充填されるため、着火が非常に早い。冬場でも10秒程度で着火する。

■ コヨリに相当する材料がなんだか良くて、効率よくアルコールを吸出して気化させているっぽい。また高温でも燃えずに煤が出ないのでトーチがメンテフリー。

■ トーチとタンクの間に小さな丸い受け皿あるので、炎の熱がタンクに伝わりにくく、またトーチからあふれたアルコールをここで受けて気化・燃焼させることでタンクを守っている。

■ トーチのタンク内部分に小さな穴が開いているが理由不明。なんだろう?

と、まあ本物のパイトーチにはまだまだ遠く及ばない今回のプロトタイプなのですが、ぎりぎり実用可能なモノになりました。おおよそ仕組みが分かってきたので、そのうち【でかいタンク+トーチ4本】みたいなのも作ってみたいと思います。

ところで着火前にタンクの底をペコペコ押す(オイル差しなのでペコペコ押す仕掛けがある)と、若干ですがトーチ内にアルコールがチャージされるようで、着火時間が少し早まるようです。たまたま選んだオイル差しでしたが、こんな所で役に立ちました。なんかラッキー!!


最後に本物と一緒に記念撮影です。オリジナル同様、アルミクッカーにちゃんと収まりますので、こんど日帰りのツーリングに持っていってカップラーメンでも食べようかな。


Amazonでも一応材料は揃うようですね。銅パイプは5本で2,000円弱なので1本400円程度。これはホームセンターに行った方が安いですね。武蔵野市近辺であれば、三鷹東八道路沿いのJマートで売っています。あと土ねんどや木工ボンドでは長持ちしないので、ちゃんと作るなら耐熱パテをご用意ください。今回の試作の構造なら250℃くらいの耐熱性能が必要だと思います。あとトーチを綺麗に半田で固定したいなら、ちゃんと板金用の半田コテと半田・フラックスを使ってくださいね。

2014/03/31追記:Amazonリンク切れしてしまいましたので更新します。シーリングは粘土や半田ではなく耐火パテで行った方が良いので、お試しの際には耐火パテ使って下さい。
  


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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

自分もパイトーチストーブっぽいものを作ってみたくなりました。気密性と耐熱性をもたせるの難しそうですね。パイプなんですが、銅はよく知らないんですけど、真鍮製だと一度あぶれば柔らかくなり加工しやすいです。少し高価かと思いますが。あと、パイプの部分って必ずしもキャップにつける必要はないのですか?空き缶で作るとキャップの裏側のパッキンが痛みそうだと思ったので。

suzukiwaruko さんのコメント...

匿名さま

当ブログ筆者のわるこです。コメントどうもありがとうございます。

銅のパイプを使う理由は、伝熱性が高くアルコールの気化を促しやすいため... だと思いますが、大した長さではないので、真鍮パイプでも行けそうな気がします。

ところで、真鍮のほうが加工しやすいんですね。勉強になりました~

なお、このストーブは容器内のアルコール気化により内圧が上がってトーチに燃料が供給されるという仕掛けにより、強い燃焼を生み出すというものっぽいです。なので容器の密閉度が高い方が炎が「シュゴー」と爆燃えする傾向が見られました。

キャップ裏側のパッキンは、100均で売っているシリコン製のお弁当用おかずカップでOKだと思います。

なお、試作をされる場合には、くれぐれも火に気をつけて、安全な場所で実験してくださいね。大きめのステンレスのボール等を用意しておいて、危険なときは被せて消火する等の準備をお忘れなく!!

良い物ができたら、ぜひ教えて下さい。