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2011/03/09

自作パイトーチのタンク条件模索+燃費テスト

パイトーチストーブ絡みのネタで、当ブログには珍しく数人の方からコメントやご連絡を頂き、たいへん励みになりました。コメント・ご連絡いただいた方どうもありがとうございます。そして、あんまりアルコールストーブとか自作キャンプツールにご興味の無い方、最近このネタ多くてごめんなさい。

...と言いつつ、今回もパイトーチネタなんですね。

前回の記事(ココご参照)で、タンク部分の冷却性能が炎の大きさや燃焼時間に関係するのではという考察をちょこっと書きましたが、今回はその実験です。タンクの条件を変えつつ、下記の手順でテストしてみました。

(1) アルコールを3.0gきっかり投入します。


(2) トーチ4本に着火してから消火するまでの時間、トーチより大きい炎を維持している(実用燃焼状態←仮称)時間、炎の形状をチェックします。


(3) 同じ条件で数回(5~6回)計測して、真ん中3回分の平均値を求めます。

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【1】 初期状態(タンク側面に塗装印刷あり+空冷)
まずはコレから。前の記事でも書きましたが、なんか燃焼時間が短いような気がするんですよね... 結果はこんな感じでした。
■ 燃焼時間=3分47秒
■ 実用燃焼時間=2分15秒

【2】 タンク塗装なし+空冷
タンクが熱くなって燃料のアルコール気化が早くなってしまうのでは... という推測をしまして、タンクの塗装を剥がして冷えやすくしてみました。塗装は金タワシでゴシゴシすると綺麗に取れます。するとキャンプギアっぽい見た目になりました~!!

結果です。炎がピークの時間に変化はありませんが、全燃焼時間はかなり延びました。これ本当ですかね~...
■ 燃焼時間=4分57秒
■ 実用燃焼時間=2分21秒

【3】  タンク塗装なし+空冷+遮熱板
今度は炎の熱がタンクに伝わりにくくするよう、無理やり遮熱板ぽいのをつけてみました。適当な金属板が無くて、ご覧の通り空き缶の蓋流用です。ボロい... で、結果ですが、さっきとそれほど変わらずでした。見た目に悪いし加工が大変なので、この方法は却下でしょうか...
■ 燃焼時間=5分09秒
■ 実用燃焼時間=2分19秒

【4】 タンク塗装なし+水冷
今度はタンクを水に浸した状態で実験してみます。すると、残念な結果になりました。ピークの炎が収まった後に続く小さい炎がなく、シューって消えてしまいます。冷やされすぎてタンク内圧が急激に下がるんでしょうか。
■ 燃焼時間=2分21秒
■ 実用燃焼時間=1分55秒

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加工の手間・運用のしやすさ・性能から考えて、【2】 塗装はがし+空冷 が良いという結論になりました。やっぱり塗装がある分だけ空冷性能が悪く、タンク内圧力が上がって燃費が落ちるのでしょうか?勉強になりました。

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ところで、他のアルコールストーブでも同じ実験してみましたので載せておきますね。

【5】 オイル差しパイトーチ風ストーブ

全燃焼時間も実用燃焼時間も長いですね。この性能差が何によるものなのか? タンク形状やトーチパイプ径が異なりますし... そのうち時間あったら追求しましょう。
■ 燃焼時間=6分11秒
■ 実用燃焼時間=2分56秒

【6】 本物のパイトーチ(2本トーチ)
やっぱり本物は炎の勢いが全然ちがう... 炎サイズが1.5倍くらいです。燃焼時間は短いですね ... こんなもんでしたか。まあ炎が強ければその分燃料が早く減るので道理ですね。
■ 燃焼時間=2分09秒
■ 実用燃焼時間=1分53秒

【7】 ブリキ製タンク+空冷
今までのはタンクの金属はスチールなのですが、別の素材だとどうなるのでしょうか?手元に小さいブリキ缶があるのでちょっと作ってみたところ、なかなかの成績が出ました。
■ 燃焼時間=5分28秒
■ 実用燃焼時間=3分12秒

このストーブは、100均ペンキ缶と同じく、燃焼用トーチが径4mm・燃料吸出しトーチ径3mmで作りました。が、トーチの固定方法と燃焼噴出孔サイズを変えたので性能がアップしたようです。使ったところ、スチール製タンクより【熱しにくく冷めにくい】ような感じがしました。炎がピークに達する時間がやや遅めですが、大きい炎が長時間維持できるようです。

このストーブでいつもの湯沸し(アルミクッカーで400mlの水を沸騰させるまでの時間を計る)をしたら8分7秒という成績でして、自作パイトーチの中で良い方でした。あと、なかなか鋭い炎を出すので、緊張感あってカッコいいです。


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全然まとまってませんが、色々やってみて思った事をメモしておきます。
⇒ 缶の塗装は剝がした方がキャンプ用品ぽくてカッコいいぞ!!
⇒ ブリキ缶は加工もしやすくて性能もなかなか良いが、消火後しばらく熱いママ。
⇒ ブリキ缶で試したトーチ固定方法がナカナカ良さそう。
⇒ 自作版は本物より炎は小さいが燃費は良い。400ml程度の湯沸しならこれで十分。
⇒ 自作版でも炒め物とか炊飯とかして確認してみよう。
⇒ 燃焼部分もトーチ径3mmで作り直してみたいなー...
⇒ アルコールをたくさん(80mlくらい)入れて実用してみたい。
⇒ トーチ形状による性能差はあるのか?でも大変なのでこれは追及しないでおこう...

さて、恒例のパイトーチ系ストーブ記念撮影です。だんだん増えてきちゃいましたね...

以上、【自作パイトーチのタンク条件模索+燃費テスト】でした。そして今夜もアルコールストーブの炎のゆらめきとプシューていう燃焼音を肴にしてアルコールを飲むのでした。



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6 件のコメント:

mnr さんのコメント...

なかなか興味深い実験で面白かったです。
1つ気になるのが塗装を剥がしたものです。
使っていく内に錆の心配はないのでしょうか?
室内使用のみであれば大丈夫だと思いますが、屋外での条件は過酷ですからね。

suzukiwaruko さんのコメント...

mnr様、こんにちわ。
サビ... 忘れてました(笑)
錆びた箇所からガスが漏れて、缶の側面から突然炎がボワーてなったら怖いですね。ご指摘ありがとうございました。

最初から見た目金属地肌の缶を使うほうが良かったかも。あと、水性塗料用の缶とか良いのかもしれませんね。

おもち さんのコメント...

おばんです(_ _)

この震災を期に「アルコール」のストックをしておこうかと考えております・・・・

あとロケットストーブも・・・


災害にあったときに生きていける術を
持っていないといけませんからね。

・・・・だもんで 車の中にはキャンプ道具と
非常食1週間分を詰め込んでいます

自分の身は自分で!という事で・・・・

suzukiwaruko さんのコメント...

旅者さま、こんばんわ

私も明日アルコールを近所のドラックストアで購入しておこうかと思っていたところです。考えることは同じですね(笑)

世の中まったく大変な事態になっておりますが、おっしゃるとおり自分のできる事をして、さらにそれを隣人と私心無しに分かち合う事ができれば、きっと暖かい心になれるのだろうと思います。

おもち さんのコメント...

『暖かい心』・・・・
まったく仰る通りです!

今回の震災で助け合う意味をわかってくれる方が増えると良いのですが・・・

suzukiwaruko さんのコメント...

旅者さま、こんばんわ

そうですね。
さらに言いますと、震災などではない場で助け合いの経験ができると良いですね。