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2011/02/24

ペンキ缶パイトーチ風ストーブを作ってみました

またまたパイトーチストーブの話です。このネタはつまらないという方はご免なさい。作っている筆者としては物凄く面白くて... やめられません...

初めて読まれる方のために、当ブログのこれまでのパイトーチ関連記事をまとめておきます。
パイトーチのストーブを手に入れました(偶然ですが...)
パイトーチのストーブで試し料理
パイトーチストーブっぽいのを作ってみました
自作パイトーチ改良(パッキン追加)

今回は100均ショップの小さいペンキ缶を使って3本トーチを作ってみました。最終的には【大容量タンクで強い火力が長持ちするアルコールストーブ】というのを目指してまして、今回はその布石となる実験です。しかしこれまた一筋縄ではいかず... すこし長くなりますが、しばしお付き合い下さい。

では、まず材料から。
銅パイプ以外は100均で調達できるものばかりです。これで上手くいけば安上がり~...
■ 径4mmの銅パイプ 40cmほど
■ 100均ショップのペンキ缶(スチール製 径60mm ペンキ70ml入り)
■ 100均の細目スチールたわし
■ 100均の耐熱シリコン製おかずカップ(耐熱230度)


ペンキ缶を使う理由ですが、コレは密閉性が高くて、あと蓋を閉めるときにグッと押し込むのでペンキ缶内が加圧されますよね。すると燃料のアルコールがトーチに上がってきて着火が早いようなんです。スチール製で熱に強いというのもあって、ちょうど良い素材なのでした。

じゃあ早速作ってみましょう。ペンキは中身を捨てて綺麗に洗浄します。銅パイプは長さ160mmに切断して、ガスで熱しながら写真のように曲げ加工し、パイプの斜めの箇所に千枚通しで噴出孔を空けます。


ペンキ缶の蓋に千枚通しとかドライバーでグリグリと径4mmの穴を開けて、カットした耐熱シリコン製おかずカップを乗せたら、おかずカップを巻き込むように銅パイプを挿入します。


細目スチールたわしを手でもぎって、硬めにクルクル丸めて芯を作ります。そして5mmほど足を残して、銅パイプに芯をねじ込みます。芯の長さは噴出孔の手前くらい、芯の硬さ・太さはギューギュー入るくらいが良いですよ。


あっという間に完成!! これで正常動作したら楽ちんだったんですが...


では着火してみましょう。おお~良い火が出ました!! しばらくすると... ああっ、トーチ以外の所にも火が出てきました。危な~~~~い!!


残念ながら、おかずカップでは銅パイプとペンキ蓋の隙間を完全に密封できなかったようです。燃焼が始まってペンキ缶内の圧力が高まると、そこから気化したアルコールが漏れて引火してしまったようです。残念...

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仕方ないので、前回同様にハンダと木工ボンド(←暫定措置ね)で銅パイプとペンキ蓋の隙間を密封してみました。そして着火してみると、ブボボボ~てな感じで物凄い勢いの火が... これはもっと危な~~~~い!!


「火の神様はお怒りじゃ!!」という状態です。せっかくなのでお怒り動画をどうぞ。


「アルコールの噴出圧力が高すぎるのかな...」と思い、銅パイプに空けた噴出孔をホンの少しおおきくしたら... 今度は着火後30秒くらいで、火がついたアルコールを周囲に撒き散らし始めました!! これは最高に危な~~~~い!! もう写真を撮る余裕もありません。

どんどん悪い方向に向かっていますね。ちょっと休んで解決方法を模索しましょう...

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で... 考えたのがコレです。銅パイプ2本のみ残して、あとは途中で切断しちゃいました。長い2本はアルコールに浸して吸い上げるアクティプ型トーチ、残りはペンキ缶内で気化した高圧状態のアルコールを吐き出すパッシブ型トーチです。要は液化アルコールの吸出し力低下と、アルコール加熱力を下げて気化速度を下げたつもりです。

でもこれだと若干火が弱くて全トーチが安定燃焼するまで時間がかかるよう(着火後90秒くらい)です。なので色々試したところ、芯をあと2本ぶら下げた半アクティブ型トーチにしたら良い具合になりました。なんかウンモ星人のシンボルマークみたいですね...


これで安定した燃焼と強い火力を得ることが出来ました。よかった!! パイトーチ型特有の「ブシュー」という燃焼音がします。でも、噴出孔を大きくしてしまったせいか、火が少し大きすぎる気がします。また投入したアルコール量に対する燃焼時間が気持ち短いような...


噴出孔のサイズは、アクティブ型トーチは小さく(0.4mm程度)、パッシブ型トーチは大きく(0.8mm程度) という工夫をした方が、燃焼時間が長くなるのかもしれませんね。今度作るときに試してみたいと思います。

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では、どのくらいの火力なのでしょうか... いつものようにアルミクッカーで400mlの水を沸騰させるまでの時間を計ってみます。(水温・気温が毎回異なるのであくまで目安ですが...)

燃焼開始時から3分ほどで火力が上がってくるようで、なべ底の火の回り方が違いますね。これはペンキ缶内の圧力が上がった結果、パッシブ型トーチの燃料噴出量も上がえい火勢が高まるためだと思います。


結果は8分弱でした。3トーチなのに2トーチとあんまり変わらないですね... あれ?5分くらいでグラグラ煮え立つ様を期待していたのですが... こんど同じ条件で比べてみます。


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燃焼中はトーチの温度が高くなるためハンダが半溶け状態になってしまいます。やはり耐熱パテを使ってしっかりシールする必要がありそうですね。

色々とノウハウが得られましたので、そろそろ恒久使用できる物を作ってみたいと思います。それには耐熱パテを使いましょう。最後に仲間のパイトーチ型アルコールストープ達と記念撮影です。みんなそれぞれ個性があって面白いですね。


最後に... 毎回書きますが、アルコールストーブの実験は大変危険です。引火したアルコールが周囲に飛び散ったりするかもしれません。引火しにくく消火しやすい環境(シンク内とか)で実験するようにして下さい。お願いですよ!! まあ、こんな事やる方はそんなにいらっしゃらないとは思いますが。


今回の材料はAmazonでも購入できますが、ペンキ缶は中身を捨てるのが手間なので、ホームセンターにの塗料コーナーに行って空き缶を購入する方が楽ですね。
   


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2 件のコメント:

Me さんのコメント...

いつも興味深く見させて頂いております。私もパイトーチが欲しくて色々と探しましたが手に入らず自作しようと思っています。適当な容器が無くて困っておりました。ペンキ缶は良いですね。今日100均(ダイソー)でスクリューキャップが付いた缶が売っていたので買ってきました。直径10cmで高さも10cm位で円柱型です。上手く行ったら御報告させていただきます。

suzukiwaruko さんのコメント...

Me様コメント投稿ありがとうございます。
当ブログ筆者の鈴木わるこです。

私もダイソーで物色する事数回... しかしながら適当な容器を見つけることが出来ませんでした。径10cm×高さ10cmでスクリュー蓋は良い形状ですね。もう一回ダイソーに物色しに行かねば!!

また完成品を是非とも拝見したいので、ご連絡よろしくお願いします。また、釈迦に説法かもしれませんが、火の対策は十分にしてくださいね。